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医師の働き方改革

医師の働き方改革(案)、当初の骨子とほとんど変わらず

厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が3月13日、15日の両日に開催され、

事務局が提示した最終報告書案を基に議論が行われました。

 

この間、医師側も数々の緊急シンポジウム、署名活動などを行ってきましたが、

この人権無視ともとれる時間外労働は、残念ながら変更されることなく通りそうです。

 

 

最終報告書案は、1月11日に事務局が示した取りまとめ骨子を基に、

これまでの議論を反映したものです。

 

(1)医師の働き方改革に当たっての基本的な考え方

(2)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿

(3)医師の働き方に関する制度上の論点

(4)おわりに

の4項目からなっています。

5年後の2024年4月から適用される罰則付き時間外労働の上限時間は、修正されず

具体的には、3つの水準に分け、

(A水準)診療従事勤務医(医療機関で患者に対する診療に従事する勤務医)

の時間外労働の上限は、年間960時間・月100時間(休日労働含む)

(B水準)「地域医療提供体制の確保の観点からの特例(地域医療確保暫定特例水準)」

(C水準)「一定期間、集中的に技能向上のための診療が必要な場合の特例」

の時間外労働の上限は年間1860時間以下・月100時間未満

 

とするものです。

 

B水準の適用施設の特定は、

地域医療提供体制を踏まえた判断となり各都道府県が指定することとなります。

 

C水準は、

(1)初期・後期研修医が、研修プログラムに沿って基礎的な技能や能力を修得する際に適用するもの(C1水準)、

(2)医籍登録後の臨床従事6年目以降の医師が、高度技能の育成が公益上必要な分野について、特定の医療機関で診療に従事する際に適用するもの(C2水準)

の2つに区分されています。

 

C1水準は、臨床研修プログラム及び専門研修プログラムにおいて、

各研修の時間外労働の想定最大時間数(直近の実績)を明示した上で、都道府県が特定します。

 

C2水準は、医師が自ら「高度特定技能育成計画」を作成し、

所属医療機関に申し出た後、医療機関が承認します。

 

今後指定する「審査組織」に申請し、審査組織における承認を経て特例として認める形を想定しています。

 

二次医療機関の基準もさらに追加

B水準のの客観的要件については、

 

具体的な条件は、「『年間救急車1000台以上または年間での夜間・休日・時間外入院件数500件以上

かつ『医療計画において5疾病5事業の確保のために必要な役割を担う医療機関』」となっています。

 

また、B水準、C水準で働く場合は、勤務間インターバルの確保や連続勤務時間制限などの

追加的健康確保措置が義務付けられます。

 

具体的には、

当直明けの「連続勤務時間」は28時間まで、

「勤務間インターバル」は9時間(当直時は18 時間)

 

時間外労働時間が960時間を超える初期研修医に対しては、

1日ごとに確実に疲労回復させる観点から、

「連続勤務時間制限」を15 時間になります(「勤務間インターバル」は9時間)。

 

指導医の勤務に合わせた24 時間の連続勤務時間にする必要がある場合は、

その後の勤務間インターバルを24 時間とする案が追加されました。

 

「連続勤務時間制限」と「勤務間インターバル」を実行できなかった場合、

(1)「代償休息」として、1日の休暇(8時間分)が累積してからではなく、発生の都度、時間単位での休息をなるべく早く付与する、

(2)取得期限は代償休息を生じさせる勤務が発生した日の属する月の翌月末までとする

としています。

 

ただしC1水準適用の初期研修医については連続勤務時間制限・勤務間インターバルの実施を徹底し、

代償休息の必要がないようにする方針も明記した。

 

B水準の指定は2023年度中に終了

 

今後の現場での対応については、

2024 年4月までに医療機関は、A水準の適用を目指し、自らの状況を適切に分析し、

計画的に労働時間短縮に取り組んでいく必要あるとされています。

 

そのために各医療機関はまず、時間外労働の実態を的確に把握した上で、

自施設に適用される上限時間がどれになるのかを検討し、

時間外労働の短縮幅を見極め、なるべく早期に「医師労働時間短縮計画」を作成

 

2024 年4月に、新時間外労働規制の適用が開始されるとともに第8次医療計画がスタートすることを踏まえ、

B水準の適用期限として2035 年度末を「終了目標年限」してます。

 

いずれにしても、過酷な労働時間の上限が設定され、この範囲で医師は働かされることtなりそうです。果たして、医師の人権は守られるのでしょうか。はなはだ疑問です。